fc2ブログ

花男 *-花も嵐も-*

「花より男子」の創作二次小説です。 (注:15才未満の方はご遠慮くださいね) 
はじめての方は はじめに&登場人物相関図 からどうぞ

桜ふぶき

みなさま、大変お久しぶりです! ブランシュでーす。こんばんは 

約二年くらい放置していたんですね……
お返事もできないままで、いやほんと申し訳ないっす 

先日こちらも二年ぶりにオリジナル小説を書きましてね。 
それについては→ 『青藍の風』 (旧:徒然草)

せっかくなので、こちらでもみなさまにもご挨拶をと思いまして、
一日だけの短編をお届けします。

みなさまのところの桜はこれからですか? もう終わってしまいましたか?

美しい桜によせて、では ↓からどうぞ


「よ、牧野」



道明寺! と、うっかり答えそうになったつくしは、
幻でもみたかようにスルーして、ショーケースを拭き始めた。



……どうして? なんで?

つくしの動揺をよそに、
道明寺司はにんまりと、笑顔を向けて近づいてくる。


つくしと道明寺は、鍋をつついたのを最後に別れた。

それから二年が経っている。
もちろんその間、会ってもいないし、お互いに見かけてもいない。

なのに、
つい昨日まで会っていたみたいな、この気軽さは何なんなんだ? と、
つくしは心の中で悪態をついた。


いずれにしても警戒するにこしたことはない。

ツーンと済まして、
「いらっしゃいませー」
と、ぞんざいに答えた。

この男には、関わらないのが一番だ。

英徳学園でうっかり挑発に乗ってしまったあの時。 思えば全てそれが間違いだったのだ。



「久しぶりだってーのに、なんだよそれ」

この男には空気を読むとか、
察するとか、
そういう言葉がないのか?

まあ何しろバカだから、あたしがどれだけ哀しくて、
何度枕を涙で濡らしたかとか考えた事もないんだろう。

心の中でそう思いながら、ため息をつき、

「で? ご注文は?」

あくまで他人行儀に、つくしは答えた。

「全部」

「……」

「あるだけ全部だよ」

ニヤリと口元を歪めたまま、道明寺司はカウンターに肘をついてジッと見つめてくる。


やれやれ、と、つくしはまたため息をつく。


「あのですね、お客さま、
 買えばいいってもんじゃないんですよ、わかります?
 買ったからにはちゃんと食べて頂かないとね、この和菓子達も可愛そうなわけですよ」

「食うよ、もちろん。
 俺じゃなくて家のやつらがな」

「……」


「あら〜いらっしゃいませ」
結局、いつの間にか奥から顔を出した女将さんが道明寺から注文を受けた。



「つくしちゃん、全部買って頂いたことだし、今日はもういいわよ」

「え! でも片付けもあるし」

「いいから、いいから」

つくしにとってはまったくもって迷惑な女将さんの忖度のお蔭で、バイトを終えてしまったつくしは、店から出た。


当然のように、店の外では道明寺が待っていて、
「おつかれー」
と、ついてくる。

ちらりと通りを見れば、
道明寺が乗ってきたらしいリムジンに、運転手と女将さんがせっせと和菓子入の袋を載せていた。


今日のバイト代で買う予定のものがあったのに、と、ますますムッとしながらつくしは通りを早足で進んでいくが、
道明寺司の長い足には、むしろ丁度いいらしい。

「なぁ、牧野。
 俺さ、さっき日本に帰ったばっかで腹減ってんだよな。
 どっかでメシ食わねぇか?」


「……」


「あ、あれはどうだ? お前が好きなラーメン」


別に取り立てて好きってわけじゃないし、むしろその隣りにあるお店のパンケーキの方が今は食べたいし。
それより早く勝手にどこかへ行け!

そんな、つくしの心の叫びを知ってか知らずか、道明寺司はどこまでも呑気についてくる。


「じゃあさ、お前んちで何か食わしてくれよ。
 そうだそうだそれがいい」

「ちょっと! なんなのあんた」

これ以上無理なくらい眉を潜めて、つくしは司を睨んだ。

ぶははは!

「おもしれー顔」
「うるさい!」

結局なんだかんだと言いながら、道明寺司はつくしのアパートまで着いてきた。

「帰ってよ。帰らないと人を呼ぶからね!」

「呼べば?」

「……」


そうだった。
この男は警視庁まで顔が利く。

そう思い出し、つくしはあきらめた。



「じゃ、そこのカフェに行こう。うち何にもないし」

嘘だ。食材はある。
でも、道明寺を部屋には入れたくなかった。

過去は過去のまま、蒸し返したくはない……。




「で? お前は?」

「あたしは、コーヒーでいい。お腹空いてないし」

そう言った途端、
クゥ~ーと、盛大に鳴ったのはつくしのお腹。
また、ぶははは! と、道明寺に笑われた。

「相変わらず素直じゃねぇな」

――ほっといてよ。


「……オムライス」

「じゃあ俺もそれ」



何しに来たのだろう? と、つくしは考えた。

こんなふうに、二年ぶりに別れた男が気軽に会いに来る場合は、どんな時だろうと。


たとえば、その1。

それくらい道明寺にとっては、あたしとのことが過去のことになって、何かを報告に来た。


 結婚の報告とか……。

   好きな人ができたとか……。



そんなことを考えながら、グラスの中の氷を見つめていると、

「俺さ、お前に謝らなくちゃな」

道明寺が、つくしを覗き込んだ。


「……ふぅん」

ほらね……、と思った。

覚悟はできている。
結婚式に来てくれっていうんなら、行ってやろうじゃないの!!

よし、ここは女の意地を見せてやる!
拳を握りしめたつくしは、
満面に笑みを浮かべて顔を上げた。

「なにかしら」
「わりーな、俺やっぱお前が好きだ」

「……へ?」

「ババアには、ねーちゃんに継いでもらえって言ってきた」

「……あんた、何言ってんの?」

「この二年、考えたんだけど無理!
 やっぱさ、おまえが他の誰かと結婚するとか思ったら、俺多分、そいつの事、マジ殺すと思うんだよな」


「……」


「殺人とかは、さすがにあれだろ?
 それにさ、世界は広いだろ?
 ババアの手が届かない国もあるだぜ? 北朝鮮とかさ。
 そこに一緒に行かないか?」

「バカなの? あんた。
 なんであたしが北朝鮮に行かなくちゃいけないの」

「だってお前、日本だのアメリカじゃ、ババアに邪魔されるしよ」

「道明寺ホールディングスの社員はどーすんの!?
 みんな必死で働いてんのに!
 あたしのことくらいで、あんた!自分が何言ってるか、わかってる?!」



「じゃあ、言うけどお前、一生独身通すか?」

「やだ」

「ほらな、これだよ」

道明寺司は、大きくため息をついた。


二年は早いようで長い。
その間、この男はなんの成長もしていないのかと、つくしは頭を抱えた。


「じゃー聞くけどよ、
 お前は俺が他の女と結婚してもいいのかよ?」

「しょうがないでしょ」


そんなの、とっくの昔に覚悟してるわアホ。

あんたが、誰かの手をひいてライスシャワーを浴びるシーンとか、
キスするシーンとか、
山盛りイメージして、死ぬほど泣いてあたしは立ち直ったんだから。


「泣くんじゃねーよ」

「泣いてない!」


また、おもしれーと言って
ぶはははと、お腹を抱えて笑った道明寺司は、食後のコーヒーを一口飲んで、ジッとつくしを見つめた。


「なによ」

「嘘だよ」

「え?」

「結果をだして、ババアを屈服させてお前を迎えに来た」

「……」

「経済誌とか読んでないのか?」

そう言って、スマートフォンを取り出し、スルスルと長い指を滑らせた道明寺司は、
ほら、と、並ぶニュースのタイトルをつくしに見せた。

それらは、どれもこれも道明寺ホールディングスのアメリカでの新規事業の成功と株価上昇を称賛しているものだった。

「だから、お前を迎えに来た」

「……」

「桜に間に合うように急いて帰ってきたんだけど、今年は随分はえーのな」
道明寺は、外を見てチッと舌打ちをする。

ほんとなの?

外を見ている道明寺の横顔は、すっきりとした大人の男の顔に見えた。

そういえば、とあらためて見る道明寺は、スーツを着ている。

「ん?」

「スーツだと思って……」

「これから、会社に行かなくちゃならないからな。
ったく、ババアも西田も悪魔だなあいつら」

「……」

ふいに道明寺が通りを見た。
つられてつくしも見ると、どこから来たのかリムジンが止まったところだった。


「夜、アパートに行くよ。
 遅くなるかもしれねぇけど」

「……」

立ち上がった道明寺を見つめ、
つくしは、何をどう答えていいかわからずに戸惑っていると、

かがみこんだ道明寺は、つくしの頬をなで、
「そんな顔をするな」
と、甘く囁いて、
チュッとキスをした。



フワッと、
道明寺の懐かしい香りがした。


――今、何が起きたんだろう?


夢?

 幻?


ふと、通りを見ると、
舞い上がった桜ふぶきの中で道明寺が手を振って、
リムジンの中に消えていった。



カフェの中から、見送ったつくしは、
リムジンが見えなくなってからようやく、

自分が泣いていることに、気がついた……。




fin_*゜  桜によせて ブランシュ☆



不在中もポチってくださった皆さまありがとうー! 


ってことで
↓ポチポチ応援よろしくねん 
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ   
にほんブログ村  FC2ランキング  人気ブログランキングへ
 

該当の記事は見つかりませんでした。
トランクルーム活用術